知床半島の玄関口が、酪農王国、中標津(なかしべつ)町。
摩周湖、知床国立公園、釧路湿原国立公園などの大自然に囲まれ、雄大な景色が広がっています。
見渡すかぎりの緑が続く牧場で、栄養豊富な牧草を食べのびのびと育った牛たち。中標津の牛乳は北海道でトップクラスの乳脂肪率と品質の高さを誇ります。
そんな良質の牛乳を100%使ったのが、地元中標津の『ラ・レトリなかしべつ』の無添加アイスクリームです。(「ラ・レトリ」はフランス語で「乳製品を作る工場・お店」という意味です)
10数年前に羅臼と中標津は合併話があり「東知床市」と名前まで決まっていました。
結局、合併は実現しませんでしたが、「知床三佐ヱ門本舗」と「ラ・レトリ」のコラボレートはうまくゆきました。
じつは、ラ・レトリの母体は中標津では老舗のお茶屋さん「近野茶舗」。
なるほど、「抹茶」や「紅茶」の美味しさにもなっとくです。
BRUTUS7月1日号 「日本一のアイスクリーム、夏スイーツはどれだ!?」 でこのフローズンヨーグルトが紹介されています。「爽やかなプレミアムヨーグルトアイス」という評です。
搾りたての新鮮な生乳だけを使い、中標津の牛乳の特徴である豊かな”コク”と”風味”を生かした、地元のお店だからこそできた贅沢なアイスクリームです。
生乳以外の材料にもこだわり、生クリームやグラニュー糖も厳選した北海道産のみを使っています。
材料が良いので、香料や乳化剤、安定剤、消泡剤などの添加物は必要ありません。
ミルクのピュアなおいしさがお口に広がります。
冷凍庫から出した直後は、たいへん硬いです。金属のナイフでも歯が立たないほど。
しかし、口にふくんでみますと、口どけ、口当たりのなめらかさといったらほかに例をみません。
よんざえもん: アイスクリームでいちばん重要な、生乳について教えてください。
ラ・レトリ近野店長:
中標津の武佐岳のふもとの酪農家4戸から集乳した生乳を使います。
生乳は乳脂肪分、乳固形分、の数値が高く、細菌数が少ないことが良質であることの証になります。中標津の生乳は酪農家の努力によりこれらの数値が北海道内でも優れています。
また、ストレスのない広い大地と冷涼な気候で育つため風味もすばらしいです。 (写真はラ・レトリ近野店長とよんざえもん)
生乳の管理は厳しく、毎回検査され抗生物質など検出されると生乳はすべて廃棄します。その酪農家は他の酪農家の分まで責任を負わなければならない決まりになっています。
よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが、牛の食べる草に農薬など含まれていません。最後まで自然のものなのです。
よんざえもん: 製造工程で空気の含有量を抑え、高密度凝縮しているそうですが?
ラ・レトリ近野店長:
ラ・レトリなかしべつのアイスクリームは冷凍庫から取り出した直後はとても硬くスプーンがとおりません。
アイスクリームは普通、安定剤を入れソフトなものをつくるのですが、逆のつくりかたです。安定剤を入れずになめらかな舌触りにするため手間と時間をかけます(これは企業秘密!)。
さらに密度を高めているのでコストもかかります。出来上がりの数量は通常よりも少なくなります。
この製法をとることより「硬いアイスクリームが柔らかく溶け始めてから」生乳と生クリームの風味がストレートにひろがります。
原材料の質が問われるごまかしの効かない製法と考えています。
よんざえもん: 乳化剤、安定剤、合成着色料などの添加物不使用ですね。そのほかのこだわりは?
ラ・レトリ近野店長:
生クリーム、脱脂粉乳は道内産では一番良いと思われるものを使用しています。
砂糖はてん菜から製造するビートグラニュー糖です。
よんざえもん: このアイスも安定剤は季節により使用するのでしょうか?
ラ・レトリ近野店長:
(知床三佐ヱ門本舗での)アイスクリームは無添加ですのでご安心下さい。
安定剤を使用するのは店頭販売のイタリアンジェラートです。
商品の性格上安定剤を使わなければジェラートにならないのです。
アイスクリームとジェラートの違いは、アイスクリームが乳脂肪分8パーセント以上、ジェラートは7パーセント前後です。ジェラートは少量の安定剤を入れることにより粘りを出し、ヘラで盛り付けをするのが決まりになります。
よんざえもん: 牛乳の風味を大切にされているそうですが、どんなことに気をつけていらっしゃるのでしょうか?
ラ・レトリ近野店長:
はい、牛乳って 「乳脂肪分」 が高い方がおいしいと思われがちですね。
けれどもじつは、 「乳固形分」 が風味にはもっとも重要な要素なのです。
この原料となる生乳について乳固形分は、たいへん高い数値になっています。
よんざえもん: 殺菌にも、気をつかわれているとか?
ラ・レトリ近野店長:
低温での殺菌のほうが良いのです。しかし、(生乳の質にかかわらず)アイスの製造にはある温度以上で殺菌しなければならないという基準があるので。
そこで質がそこなわれないギリギリ低い温度でおこなってます。
よんざえもん: アイスの種類が4種に限定されているのはなぜでしょう?もっとできそうな気がするのですが・・・
ラ・レトリ近野店長:
実は、アイス用の添加物というのが、たくさん出回っているのですが、それを使うとたくさん種類ができるのです。
でも、ラ・レトリでは牛乳の味をいかすため、香料を使わず、天然のものを使用しています。
抹茶を例にとれば、京都・碧水園の抹茶、そのものを使用しています。宇治茶ですね。
原料を一日熟成させておき、抹茶を細かくしてふるいにかけます。さらにもう一度ふるいにかけ、原料と混ぜます。なんども網でこして、ダマにならないようにして冷却します。
紅茶は、三井農林のダージリン(インド産)です。これは粉末ではなくてフリーズドライのものですが、もちろん香料ではなくて天然の素材、そのものです。
これも、混ぜてからなじむまで、数時間必要です。
よんざえもん: 三井農林は日東紅茶とおっしゃいましたね。実は、わたしがいちばん好きなブランドです。
よんざえもん: 近野さんは「近野茶舗」の 若だんな でもありますから、お茶はお手のものでしょう。
ラ・レトリ近野店長:
はい。でも、繰り返しになりますが、天然原料にこだわるとか、香料に頼らないというのは、すべては「牛乳の味」を活かすためです。
よんざえもん: ラ・レトリといえば、「飲むヨーグルト」でも有名ですが、この「フローズンヨーグルト」は、おなじものですか?
ラ・レトリ近野店長:
いいえ(笑)ただ凍らせただけでは、フローズンヨーグルトにはなりません。
まったく異なるレシピ、製法なのです。原料の生乳は、もちろん中標津(なかしべつ)産ですけどね。
よんざえもん: おかしな質問で恐縮ですが、中標津(なかしべつ)の牛乳って、そんなに良いのですか?
ラ・レトリ近野店長:
じっさいのところ、北海道でもトップクラスの品質です。
どこの地域でも、地元ブランドについてそうおっしゃいますが、乳製品に関わるプロのかたには、周知の事実だと思います。
ラ・レトリでは、さらに信頼のおける複数の酪農家さんと契約を結び、直接 生乳を仕入れています。
よんざえもん: ところで、コンテストで入賞した、『ブリック・ド・なかしべつ(チーズ)』についてはいかがでしょう。
ラ・レトリ近野店長:
こちらも量産ができるかどうかに、かかっているのです。品質を下げないで、というハードルをクリアできるかどうか・・・
毎日奮闘中です。
よんざえもん: すばらしい風味ですよね。生産が順調になりましたら、ぜひ知床三佐ヱ門本舗でも販売させてください。
よんざえもん: 近野店長、きょうはお忙しいなか、お話しいただきありがとうございました!
さっぱり、すっきりして私とても美味しかったです。
イチバンは、紅茶かな。
ミルク+きなこ、抹茶、フローズンヨーグルトどれも甲乙つけがたい味でした。(ハマちゃん)
美味しかったですよ〜!
通常、こういったプレミアムタイプのアイスクリームは、濃厚さが売りになるのですが、これは、ほかにはない、さっぱり感がありました。
アイスクリーム苦手・・・というかたにもオススメです。
ちなみに、抹茶+黒豆きな粉、最高でした!
深みのある、充実した味わいになりました。(まるやま)
その他のアイスクリームももちろん美味しいですが、わたしがいちばんオススメなのは、なんといってもフローズンヨーグルト。コクのある生乳と、酸味がなんともいえず....
ヨーグルトが苦手な店主よんざえもんでもこれは大好物なんです。
工場を兼ねたお店で販売されてますが、品切れになっていることがよくあるほどの人気ぶりです。(よんざえもん)